2022年02月20日

OS MAX55HZ-R 分解 検証 その3

REGU-001.jpg

REGU-002.jpg
OSのホームページに掲載されている OS MAX-55HZR エンジンのレギュレーター構造図と部品図。
吸気の負圧によってシリコン製レギュレーターシートが動き、それに伴いレバーを作動させストップバルブを開いて燃料を送る構造になっています。
レバー部分を指で押してストップバルブを作動させて燃料通路の開閉を行い、ニップルから息を吹き込めば通路の抜け具合が判るはずです。


MAX55HZ-R-20.JPG

MAX55HZ-R-21-1.jpg
キャブレターからレギュレーターを外し分解。
黄色矢印がシリコン製レギュレーターシート。



MAX55HZ-R-23-1.jpg
赤い矢印が吸気の負圧で動くシリコン製レギュレーターシートにより作動させるレバーで、ニップルに差し込んだ燃料用シリコンホースに息を吹き込みながらレバーを押し込むと、押し込む量により息の出方に変化があります。
エンジンストップした時点でレギュレーターの燃料制御は薄い状態だったと思われるのですが、実際に息を吹き込んでみると、レバーの押し込み量が小さいと息の出方が少なく、押し込み量が大きいと息の出方が多くなるので、この部分の制御は現在は正常だと思われます。



MAX55HZ-R-24.JPG

MAX55HZ-R-25.JPG

MAX55HZ-R-26.JPG
レギュレーターを組み込みキャブレターに取り付けて作業終了。

このエンジンのレギュレーターの作動はクルマのフューエルインジェクションで使われるフューエルプレッシャーレギュレーターの役目と全く同じで、その構造もほぼ同一だったので模型用といっても手抜きの無い構造に拍手です。
燃圧を合わせるためにレバー部分のスプリングの強さを決めるまで大変だったろうと思います。



REGU-003.jpg
レギュレーターが正常であればエンジンのオーバーホールで交換する部品代がかなり抑えられることになり、シリンダーライナーを再使用することで、その他の交換部品代金は9,042円となりました。




.
posted by アムロジン at 18:22| Comment(2) | OS

2022年02月15日

OS MAX55HZ-R 分解 検証 その2


コンロッドがクランクピンから抜けないことがどうしても気になり、壊れる事を覚悟のうえで再チャレンジです。


MAX55HZ-R-11.JPG
コンロッドがもう少しカバープレート(バックプレート)側に動いてくれれば、クランクピンからコンロッドが抜けるような気がしたので、ピストンピンにタミヤのエンジントリートメントスプレーをタップリと吹きかけ、コンロッドを工具で強く引いてみたところ、スライドと同時にクランクピンから外れました。
やはりコンロッドのスライド量が不足していたようです。



MAX55HZ-R-12.JPG
ピストンピンを確認するとスラッジの付着が見られました。
このスラッジ部分が突起物となってコンロッドのスライドを止めていたようですが、工具で押し込んだことによりコンロッドがピストンピンのスラッジに食い込んで全くスライドしない状態に・・・。
(画像は食い込みから外した状態です)



MAX55HZ-R-13.JPG
工具でコンロッドとピストンピンを切り離し、動くようにしてからピストンピンリテーナーを取り外しピンを取り出します。
#800番のサンドペーパーでピンのスラッジ部分を研磨し、綺麗になった状態の画像です。




MAX55HZ-R-14.JPG
ピストンを再確認するとエキゾースト側に焼けて出来た縦キズがありましたが、インテーク側は大丈夫でした。



MAX55HZ-R-15.JPG
クランクシャフトとベアリングはそのままで、その他を分解した状態です。
使えるのはクランクケース、クランクシャフト、ヘッド、カバープレートぐらいで、キャブレターのレギュレーター交換を含み、その他部品を交換しなければならずオーバーホールするとかなりの金額になりそうです。
(OSの価格表から計算してみたところ部品代だけで2万円を超えました)




.
posted by アムロジン at 20:10| Comment(2) | OS

2022年02月13日

OS MAX55HZ-R 分解 検証

以前から気になっていたエンジンの分解を行いました。

MAX55HZ-R-01.JPG
2016年6月のYFC飛行会に於いてネオキャリバー50FBLのエンジンが飛行中に突然エンジンストップを起こしたため新品と交換。
その後保管していたOS MAX55HZ-Rエンジンを分解して内部がどのような状態なのか確認してみました。



MAX55HZ-R-02.JPG
ピストントップは特に焼けた様子が見られません。



MAX55HZ-R-03.JPG
ヘッドの燃焼室も特に焼けてはいないようですが、プラグのフィラメントは真っ白に焼けています。



MAX55HZ-R-05.JPG
シリンダーライナーエキゾースト側内面上部に少し縦キズが見えます。
(画面の奥がライナー上部です)



MAX55HZ-R-06.JPG
シリンダーライナーインテーク側(エキゾーストの対面側)内面上部には縦キズは見えません。
(こちらも画面の奥がライナー上部です)



MAX55HZ-R-08.JPG
コンロッドがクランクピンより外せなかったため、ピストン側面をクランクケースのエキゾースト側から確認。
ピストンリングの上下部分に焼けた時に出来る縦キズが見られます。

画像を取り忘れましたが、クランクシャフトベアリングの後ろ側も真っ黒に焼けた状態で、クランクシャフトを回すと、ゴリゴリとした感触が伝わってきます。



MAX55HZ-R-09.JPG
突然のエンジンストップは、キャブレターに取り付けられているレギュレーターが燃料を正確に調圧出来なくなったことが原因と判明していますので、レギュレーターの交換とピストン&ライナー、クランクシャフトベアリングの交換で復活させられると思います。

このエンジンが必要になった時に、OSにオーバーホールに出すことにします。
残念なことにクランクピンからコンロッドが外せなかったことによるものです。
(クランクシャフトの回転位置を変えたり色々と手を尽くしましたが、外せる状態になりませんでした)



.
posted by アムロジン at 19:36| Comment(0) | OS

2016年07月24日

ネオキャリバー50FBL エンジン交換

5月頃からエンジンの調子が悪くなり、6月の飛行会に於いて飛行中に突然エンジンストップを起こしてしまったネオキャリバー50FBLのエンジン「OS MAX-55HZ-R」。

ニードルの調整位置が飛行の都度ズレるため、メインニードルと中速ニードルを何度も調整してみたものの焼ける傾向が続き、プラグのフィラメントが溶融する形でエンストを起こしたこともありました。

テレメトリーの温度センサーによる温度確認でメインニードルを大きく開けても温度変化があまり見られず、燃料不足であることがハッキリとしているので、キャブレターに装着されるレギュレーターが原因と思われました。
(燃料タンクはしっかりと加圧されているのを確認済み)

そこでレギュレーターの交換を行う予定でしたが、突然のエンジンストップを起こしたエンジン内部を確認すると、ピストンとライナーに縦キズが発生しており、クランクシャフトとベアリングも焼けたヒートストップであることがわかったため、エンジンを交換することにしました。

P1120430.JPG
新品エンジン


P1120442.JPG
載せ替えた元のエンジン

部品交換で復活させることも考えましたが、過去に同様なヒートストップしたエンジンは、クランクケースも変形していることが多く、新品エンジンを買う方が良いと判断し、修理に至りませんでした。

新品エンジンなので、最初から慣らし運転を行う必要がありますが、それも楽しみのひとつなので、ジックリと仕上げます。



_


posted by アムロジン at 22:34| Comment(0) | OS